今まで私が体験した話しである。1997年に、通商産業省の外郭団体が実施した「電子公証システムによるオープンマーケット等の 創出のための実証実験」、すなわち『行政書士文書届出機能に係わる開発作業及び行政書士文書届出業務における
電子公証システムの有効性の検証に係る実験』を統括し成功させた。
日本行政書士会連合会役員全員と各行政書士会事務局等にパソコンを配置し組織の電子ネットワーク化の推進や、 連合会に電子認証局を設置しネットワークでの本人確認・書面の原本性の確保等に必要な、行政書士の公的資格の
電子証明(世界初)書を発行するシステムの構築をした。
学識経験者・総務省・連合会による「電子的代理申請・電子委任状」研究会を開催し研究の成果が、電子政府の 実現に向けて行政の電子化に伴う、将来のための基盤を他の機関に先駆けて確立させ、21世紀における行政手続の 円滑化と国民生活の利便性向上及び行政書士制度の発展に全力を傾注してきた。
しかし、世界最先端のIT国家を目指すことは国策として当然であり、その一翼を担い最善を尽くすことに誇りを もって推進を図ってきたが、一方ではほんの一握りかも知れないが、凶悪な傷害・死傷事件や万引き、性的犯罪から 校内暴力・いじめ自殺・うつ病、登校拒否の問題が顕在化する社会となっている。事件を起こした当人は善悪の判断 がつかず、発作的なものから集団的なものまで、全く罪の意識も薄く反省心も曖昧である。また過去の心の傷(トラウマ) により新たな重大事件が発生するケースもみられる。結果的には、加害者の家族はもとより、何の罪もない被害者や その家族が犠牲者として、一生心身的苦痛にさいなまれながら暗い生涯を送らなければならない実態が心に焼きついた。
電子技術の急速な発展により、子供達を取り巻く環境も必然的に変化して、中にはデレビゲームに熱中のあまり 学力の低下、ゲームの主人公になりすましサイバー空間と現実社会の区別がつかなくなる子供、心身共にひ弱な体質 の子供、籠りがちのうつ状態の子供、善悪の判断ができない無気力な子供が増加してきたのは、電子環境とIT立国が 一部の要因と考えられる。
学校教育のあり方や、政策的な文部科学省の施策については、全く無知であり何ら申し上げることはない。ただ、 人として生きていく最低限必要なルールや心得が欠如し、頭でっかち(均衡の悪い)な人間を生み出していると推測 される現状において、家庭教育を放棄して人任せの教育では、日本の将来を担う子供達は育たないと思われる。
自分の子供は差し置いて、「学校が悪い。先生が悪い。」と、怒っている親への対応に苦慮している教育場面が しばしばみられる。『子は親の背中をみて育つ』と云うが、子供の教育より親の教育の方が先ではないかと感じる。 教育の原点は家庭(家族)であり、学校(先生)の責任に転嫁されたのでは、非難や処分が怖くて親や子供から 逃げるしか無く、自信に満ちた本来の教育は期待できない。
人間の進歩や能力の向上より、スピーディに発展する社会構造(法律・経済・科学・文化・教育・宗教…)が、 一層の複雑多義・専門化・国際化・電子化の進む競争社会の中で、時間と心のゆとりが生み出せない家庭環境下で、 どうしたら健全なる子供の育成ができるのだろうか。
ますます国際化が進む社会環境の中で、営業成績・事務処理能力・IT化への対応など様々な要因による潜在的、 慢性的ストレスの保有者の増加、競争社会における負け組に至った心身ともに見る影も無い家庭持ちの中堅労働者 などが、挙げ句の果てに尊い命を自ら断つようなことはあってはならない。深く閉ざされ自己を失う以前に、希望 に満ちたあの時のスタートラインに立ち、再び生き生きを取り戻すことはできないものかと思うことがある。
戦後のベビーブームに誕生し、日本経済を支えてきた多くの皆さん方が間もなく定年を迎え、第一線から離れ毎日 が日曜日と云った生活環境が一変する事態に突入する。
毎日家の中でプラプラしていて小言ばかりでは、家族から煙たがれ、また、闘病生活を余儀なくされても看護・ 介護を喜んでしてくれるとは考え難く、できれば何時までも元気で時節が到来したらポックリ逝ってもらいたいと思う に違いない。私も団塊の世代の一員として人ごとではない。
「人生100年。60代〜70代は洟垂れ小僧。」これからの人生設計への重要な課題として認識し、無理のない、自分に マッチした中身で設計図を描こうと思っている。押し出される団塊の世代が家族の愛情と協力、地域の温かい思いやり と信頼に見守られながら、時間を楽しむステージとしての一助となることを願い、また、 失われつつある古くから受け継がれてきた「日本人の民族的文化と誇り」を取り戻し、やがて到来するであろう 少子高齢化時代の良き担い手の育成の場として、 『だいこん村』(夢の実現)の開設に取り組み、 家族、友人、サークル等の人とふれあい、ものづくり、育てて収穫することの喜びを体験して、 多くの皆様方のご支援・ご協力を得ながら、社会教育の一翼を担い、人々の生涯をとおして 価値のある幾ばくかの貢献ができればと、私の残された人生を『だいこん村』 の実施・運営にあたっていければ最大の喜びとするところである。
設 立 者 渡 辺 裕 之
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